2010年02月06日
読書:『キャラクターとは何か』(小田切博)
『キャラクターとは何か』(小田切博/ちくま新書/2010年1月刊/735円)キャラクターについては、これまでもいろいろ書かれてきたが、これまでバラバラに語られてきたキャラクターのビジネス・文化・歴史を、まとめて概観したのが本書。
第1章 キャラクタービジネスの現代史
第2章 キャラクタービジネスという問題
第3章 キャラクターの起源と構造
第4章 日本型キャラクタービジネス
このような4章からの構成になっているが、ぼくの場合、この本で「一九七一年の『仮面ライダー』、『帰ってきたウルトラマン』での第二次怪獣/怪人ブーム」と書かれている『仮面ライダー』でデビューしたマンガ家であり、「怪人ブーム」の総本山ともいう石森プロの出身であり、このブームに火をつけた「テレビマガジン」の創刊メンバーでもありという立場でもある。
また、やはり本書に紹介されている「ミニ四駆」に先駆けるラジコン、テレビゲーム、マイコン、チョロQといった「ホビー」をコンテンツにしたマンガの当事者でもあって(創始者であるともチョッピリ自負している(笑))、さらに企画や原作を担当した作品がアニメになった関係で、マーチャンダイズビジネスにも(金銭が絡む生臭い意味も含めて)直接的に関わった経験を持つ。
![]() 『戦争はいかに「マンガ」を変えるか―アメリカンコミックスの変貌』(小田切博/NTT出版/2007年3月刊/2,625円) |
そんな当事者的な立場から見ると、1・2・4章については、ちょっと物足りなく感じる(隔靴掻痒という観じをわかっていただけるでしょうか)が、これも読者としては想定外の位置にいる身だからだろう。そのような意味で最も興味深く読んだのは、やはり「第3章 キャラクターの起源と構造」だった。キャラクターの歴史を概観した章だが、あまりにもあっさりしているのが、ちょっと残念。『戦争はいかに「マンガ」を変えるか』の著者なら、この章だけで1冊の本が書けるはずで、もし書かれたら、ぜひ読んでみたい。
ぼくの場合は、きわめて特殊な立場にあるので、こんな感想になっているが、これからキャラクターについて知りたい人にとっては、キャラクタービジネスとキャラクター文化をまとめて概観できる優れた入門書となるはずだ。ここを起点に、たとえばポケモンなら『ポケモン・ストーリー』(畠山けんじ・久保雅一/2000年12月刊/日経BP社〈角川文庫版もあり〉)のような「ノンフィクション」を読んだりしてみるのもいいかもしれない……と思ったら、この本、すでに絶版だ。いい本なのに(泣)。
2010年02月06日
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』
「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(岩崎夏海/ダイヤモンド社/2009年12月刊/1,680円)
今日、届いた本。1ヶ月で4刷りという人気経済青春小説(?)。題名どおり、弱小都立高校野球部の女子マネージャーが、ドラッカーの組織論でもある『マネジメント』を参考に、チームの改革に挑み、選手の意識を変え、そして、念願の甲子園をめざす……という物語で、読みはじめたら止まらなくなり、3時間ほどで一気読みとなった。
ドラマは予定調和でベタではあるけれど、読んでいるうちにどこからか、オペラ『カルメン』の主題曲が……。『カルメン』の主題曲は、野球映画の傑作『がんばれベアーズ』のテーマ曲にもなっていて、聴いていると実に元気が湧いてくる。この曲が消えてきたのは、どこかで『がんばれベアーズ』を思い浮かべていたからだろう。それくらい面白かったということだ。
それにつけても野球映画には『がんばれベアーズ』のほか、『ナチュラル』だの『フィールド・オブ・ドリームス』だの『春の椿事』(『ドラえもん』的傑作SF野球コメディー映画)だの『ダイナマイトどんどん』(岡本喜八・監督作品。すがやみつるマンガ化(笑))だのと、いろいろ傑作があります。
「もしも女子高生が~」は、つくりも内容もライトノベル風で、ストーリーも予想通りに展開するが、もともと野球がドラマチックな要素を持っていることもあって、最後はドンと盛り上がる。そのときになると、ドラッカーの言葉など、もうどこかに消し飛んでいるのだが、クライマックスになって、少し「視点」が入り乱れ、興を削がれたのが、ちと惜しかったかも。
同じダイヤモンド社から出ているファシリテーションを題材にした小説『ザ・ファシリテーター』(森時彦/ダイヤモンド社/2004年11月刊/1,680円)にも、やはり同じような「視点のゆらぎ」があって気になったが、こんなことが気になるのは、その「小説の視点」のことをマンガで解説した『マンガでわかる小説入門』(すがやみつる・構成/横山えいじ・作画/ダイヤモンド社/2005年10月刊/1,500円)の作者だからかもしれない。それにしても、今日のブログは、ダイヤモンド社の本ばかりだなあ(笑)。
視点のことが少し気になったけれど、この小説は、作りがきわめて映像的で(シナリオのようでもあって)、マンガやテレビドラマ、あるいは映画に向いているのではないか。著者も、小説というよりも、映像作品の脚本を書いているようなつもりで、この作品を書いたのではないかと思う。マンガにするのなら、年齢層をリトルリーグあたりにして、小学館から創刊される学習マンガ専門誌「GAKUMAN」あたりで連載するのも「あり」そうだ。小学生にドラッカーを説く方が、インパクトも強くなりそうな気がする。
2010年02月02日
「日刊ゲンダイ」に本についての記事
1月31日発売の「日刊ゲンダイ」(2月1日付け)に、取材記事が掲載されました。『私の本の捨て方残し方』というシリーズ記事で、子どもの頃から貸本屋通いをしていたことなども紹介されています(記事の画像をクリックすると拡大します)。実は、わが家に取材に来て、この記事を書いたライターは、高校のときの同級生の女性。しかも、このブログで連載した『仮面ライダー青春譜』にも登場した貸本屋のオバサンの姪に当たる女性で、ま、そんな縁もあって、今回の取材となったわけでもあります。
ちなみに、この元・貸本屋のオバサン、いまだにボクのペンネームが「やくみつる」だと思っているそうです。
Twitterでも1週間に1回くらいのペースで「やくみつる」さんとの混同されているしなあ……。テレビに出て知名度を上げないと、この混同も、まだまだ続きそうではありますね。
右のアイコンは、昨日も「やくみつる」さんと間違えられたのをキッカケに、臨時で使用したTwitterのアイコンです(笑)。



