2010年01月27日

読書:『藤沢周平 父の周辺』(遠藤展子)

『藤沢周平 父の周辺 (文春文庫)』『藤沢周平 父の周辺』(遠藤展子/文春文庫/2010年1月刊/490円)

 故・藤沢周平氏の長女である著者が、既刊の『父・藤沢周平との暮し』(新潮文庫)同様に、子ども時代から藤沢氏が亡くなるまでの間の家族の思い出を綴った本。

 藤沢氏の作品は、オール読物新人賞の受賞作から読んでいたが、初期の作品は非常に暗く、あまり好きになれなかった。ところが『隠し剣孤影抄』あたりから、俄然、娯楽性が高くなり、しかも、明るさが感じられるようになった。その理由は藤沢氏の『小説の周辺』などのエッセイを読むとわかったが、エッセイを読んでいると、お住まいが近所のようで、見慣れた地名がよく登場した。『藤沢周平 父の周辺』も同様で、藤沢氏一家が住んでいた西武池袋線沿線各地が登場する。そんなこともあって、楽しんで読むことができた。

 人気作家でありながら「普通が一番」を口ぐせに、家族思いで、最後まで「普通の生活」を貫いた藤沢氏の人となりがよくわかる1冊だ(人柄は、なぜか藤子・F・不二雄先生を思い出す)。

『小説の周辺』などのエッセイを読んでいたからこそ、『たそがれ清兵衛』が藤沢氏の「私小説」であることがわかり、山田洋次監督の映画化作品を観たときも、真田広之演じる清兵衛一家に藤沢氏の一家を重ね合わせ、思わず込みあげてくるものをこらえることにもなった。『藤沢周平 父の周辺』も、できれば『小説の周辺』と一緒に読むことをおすすめする。

「普通が一番」。我が家でも、同じことを家訓にしよう。

『父・藤沢周平との暮し (新潮文庫)』『父・藤沢周平との暮し (新潮文庫)』(遠藤展子/新潮文庫/2009年9月刊/420円)


『小説の周辺 (文春文庫)』『小説の周辺』(藤沢周平/文春文庫/1990年1月刊/480円)



  

Posted by すがやみつる/菅谷充 at 05:11 Comments(0)TrackBack(0)本/雑誌

2010年01月26日

すがや版『仮面ライダー』シリーズ、続々発売!

eBookJapan「少年モウラ」のページへ。リンク先の内容は変化します。

 本日(1月26日)、eBookJapanより、すがやみつる版『仮面ライダー』シリーズのうち、『アマゾン』と『ストロンガー』の2作が発売になりました。

 すでに発売になっている『仮面ライダー』『新・仮面ライダー』『仮面ライダーV3』『仮面ライダーX』と合わせ、これで「テレビマガジン」「冒険王」に連載された、すがやみつる版『仮面ライダー』が完結したことになります(たぶん)。

 本日は、このほかに石ノ森章太郎師匠の『仮面ライダーBlack』、村枝賢一さんの『仮面ライダーSpirits』も発売開始! eBookJapanは、ときならぬ『仮面ライダー』まつりになっています(笑)。

 すがや版『仮面ライダー・ストロンガー』のタックルに萌えた皆さん! 「あの、なつはずかしい思い出をもう一度!」ですよ~!

eBookJapan 「少年モウラ」のページ(内容は変わります)
eBookJapan すがやみつるのページ

  

Posted by すがやみつる/菅谷充 at 11:40 Comments(0)TrackBack(0)マンガ/アニメ

2010年01月23日

ソフトウェア技術者協会の新春フォーラムで発表

 昨日(1月22日)は、田町のキャンパスイノベーションセンターで開催されたソフトウェア技術者協会の新春フォーラムに招かれ、「漫画家のインストラクショナルデザイン修業」について発表。

 発表内容は、いま早稲田大学大学院人間科学研究科の修士課程で専攻中のインストラクショナルデザインとの関わりについてだが、この道の第一人者であり、熊本大学大学院社会文化学研究科教授システム学専攻をリードする鈴木克明先生の基調講演、SRA先端技術研究所所長の岸田孝一氏IT・ゲーム関連の大学や専門学校で講師をするかたわら、旺盛な執筆活動をつづける平野正喜氏に混じっての20分間(実際には時間超過)の発表の後、シンポジウム形式の質疑応答セッションにも参加。

 50名以上の出席者の皆さんは、ソフトウェア技術者や企業内教育の担当者、大学の先生などで、年齢はアラカン世代でもインストラクショナルデザインの世界では駆け出しも同然のマンガ家・小説家・社会人学生のぼくが、こんなところにいていいのかな……という不安もあったけれど、とにかく熱意だけでも通じればと、必死に質疑にも答える。

 3時間半のフォーラムの後は、近くの居酒屋で打ち上げ。ここでも他の大学の先生や自動車メーカーの生産システムを構築した方などから、たいへん貴重な話を伺う。さらに別の居酒屋に移動しての二次会では、熊本大学大学院社会文化学研究科教授システム学専攻の修士生やOB・OGの皆さんとも歓談。

 熊本大学大学院社会文化学研究科教授システム学専攻課程は、早稲田大学人間科学部eスクールと同様にeラーニングで学ぶ仕組みで、しかも博士課程まで進むことができる。ここで学ぶ皆さんも、eスクールの学生たちと同様に、目をキラキラさせながら、学びへの熱い思いを語ってくれて、話していて実に楽しい。

 実をいうとぼくもeスクール卒業後の進路を考えたとき、熊本大学大学院社会文化学研究科教授システム学専攻への進学も考え、入学のための資料まで取り寄せたが、通学に1時間もかからないことから、結局、早稲田大学大学院への推薦入学の道を選んだという経緯があった。ひょっとしたら一緒に学んでいたかもしれない皆さんで、そんなことも話したり。

 鈴木克明先生には、eスクールの1年目に受講した「インストラクショナルデザイン」のオンデマンド授業で、パソコンの画面を通じてお目にかかっていたが、実際にお会いしたのは昨年秋の日本教育工学会の会場においてであった。昨日の基調講演では、インストラクショナルデザインの最新動向もお話しいただき、ここでは、すっかり聴講生になって聴き入らせていただいた。

 大学院の授業も終了し、レポート2本を残しているが、この発表も終わって、ようやく一山越した感じ。でも、すでに目前に、新作架空戦記の原稿と、春に所属学会の研究会で発表予定の実験が待っている。


  

Posted by すがやみつる/菅谷充 at 15:03 Comments(0)TrackBack(0)キャンパスライフ

2010年01月22日

【祝!】安倍夜郎氏の『深夜食堂』、小学館漫画賞授賞!

 安倍夜郎氏の『深夜食堂』が第55回小学館漫画賞を受賞したとうです。デビュー作の『山本耳かき店』からのファンとして、最高の気分。おめでとうございます!

『深夜食堂』の小学館漫画賞授賞を伝える毎日新聞まんたんウェブの記事

当ブログの『深夜食堂』についての記事

当ブログの『山本耳かき店』についての記事


  

Posted by すがやみつる/菅谷充 at 11:12 Comments(0)TrackBack(0)マンガ/アニメ

2010年01月22日

大学院1年目の授業、終了

 昨日、所沢市内にある早稲田大学並木キャンパス(廃校になった小学校の校舎を利用したキャンパスで、今年度から使用)に出かけ、「インストラクショナルデザイン特論」の最後の授業を受けてきた。

 この授業は、ぼくが所属するゼミの向後千春先生が担当するもので、オンデマンド授業と教室での対面授業が交互におこなわれるブレンド型授業になっている。オンデマンド授業はブロードバンドを使ったオンデマンド授業をパソコンの画面で見るもので、この授業を見ての感想や意見をBBSに書き込んでおき、それを元に、次の週、教室で討論するという形式の授業だ。

 今期、この授業ではアドラー心理学がテーマとなり、アドラー心理学の基礎を学ぶものだったが、入門書を数冊読んでいたこともあり、これまでかじってきた臨床系の心理学に比べると、すんなりと受講することができた。アドラー心理学は、同時期の臨床心理学者だったフロイトやユングの心理学に比べ、未来指向であり、共同体指向であり、同時に楽観的で、非常に希望のもてるもので、とりわけ未来を託す子どもを大事にする点が気に入っている。

 教室に集まる学生の大半は、1年制の臨床教育コースで学ぶ社会人学生で、小学校教師、養護施設教員、家庭裁判所の職員、元教師、尼寺の尼さんといった「現場」を知る人たちばかり。しかも全員が女性だ(男は2人だけ)。学部を卒業して、そのまま院に上がってきた若い女子大学院生もいたが、こんな雰囲気の中での討論なので、和気靄々かつ真摯な意見が飛び交い(それも現場の生の声が多い)、非常に刺激があり、おもしろい授業だった。

 今学期、通学していたのは、この「インストラクショナルデザイン特論」と、同じ向後先生の「インストラクショナルデザイン演習」だけで、他に受講していた「インターネット科学演習」と「インターネット科学特論」は、どちらもフルオンデマンド授業。つまりネットを通じて自宅で受講できるため、通学の必要はなし。おかげで、まだ「気分は早稲田大学人間科学部eスクール所属」みたいなところもある。

「インターネット科学特論」は梅田望夫さんの『ウェブ進化論』をベースにした講義で、「インターネット科学演習」の方はPythonのプログラミングを2年がかりで学ぶもの。よちよち歩きでスタートしたPythonも、Goolge App Engineにミニブログを作ってアップロードしたり、DjangoとMySQLを使って簡易データベースを作るところまできた。来年度は、これまで学んできたPythonやGoogle App Engineの技術を自分の研究にリンクさせていくことになる。それと並行して、所属学会での研究発表のための実験があり、修士論文の準備があり……で、まだ、当分、ヒマになることはなさそうだ。

 本日は、ソフトウェア技術者の集まりで、「なぜマンガ家がインストラクショナルデザインを学ぶのか」について、話をさせていただく予定です。

 では、ちょいと出かけてきます。

■いま読んでいる本

『Google App Engineプログラミング入門』『Google App Engineプログラミング入門』(中居良介,岡野真也,船井裕,松尾貴史/アスキー・メディアワークス/2009年12月刊/1,890円)........受講中の「インターネット科学演習」のテキストとして購入。WindowsでPythonとMySQLを使うのが大変でした。LinuxかMacだと簡単そうなんですが。


  

Posted by すがやみつる/菅谷充 at 10:51 Comments(2)TrackBack(0)キャンパスライフ