2008年08月05日
■ミニFM放送の作り方
竹熊健太郎さんのブログ「たけくまメモ」では、たびたび出版メディアの終焉やインターネットの可能性について触れられていますが、それに関連して、他のメディアについての話題も出てきます。
7月31日に掲載された「竹熊さん、インターネットはヤバイですよ。」という記事では「海賊ラジオ」についての話題が出てきましたが、竹熊さんは電波系のメディアについては、あまり関心がないようで、たとえば「海賊ラジオ(放送?)」と「ミニFM放送」についても、それぞれを広義に解釈しているためか、少し混乱があるように見受けられました。
「海賊放送」については「非合法放送」の意味もありますが、1960年代後半あたりに、とくに東欧あたりで流行したものは、国家の主権の及ばない公海上を航行する船の上から、体制的な国営放送局しかないような国の住民に向け、ラジオ放送をおこなうものを指しました。当時の「地下放送」や「自由(フリー)ラジオ」といった言葉には、こんな政治的な臭いがつきまとったものでした。
1980年代に日本で流行した「ミニFM」は、電波法の許容範囲内(FM放送などに使われる322MHz以下、または150GHz以上の周波数の場合、無線機の発信源から3メートルで、電界強度が500マイクロボルト/m以内)であれば、無線局の免許は不要です。教材用のワイアレスマイクなどもそうですが、このような「微弱電波」であれば無免許で電波を発射しても違法にはなりません。しかも、このくらいの出力の電波でも、100~150メートルくらいは届きます。高いビルの上にアンテナを設置したりすれば、さらに到達範囲は広がるでしょう。
もちろん「ミニFM」であっても、電波法で制限された以上の強い電波を発射すれば、電波法違反で逮捕されることになります。事実、そのような「ミニFM放送局」もあり、関係者が逮捕されています。このような大出力の非合法FM放送局となれば、すでに「ミニ」ではないわけで、そのため「海賊放送」と称されることがあったのかもしれませんが、1960年代の「海賊放送」を知っている身からすると、ちょっと違和感があります。
また「ミニFM」の「ミニ」は、基本的には微弱電波のことを示しており、著作権法など別の問題はあるかもしれませんが、電波法には違反していないはずです。
ホイチョイ・プロダクション原作の『波の数だけ抱きしめて』という映画が1991年に公開されたことがありますが、この映画では湘南のミニFM放送局が舞台になっていました。
それより少し前、ミニFMがブームになった頃、ぼくも自分でミニFMの送信機を組み立てたり、西新宿で毎週放送されていたミニFM局に参加し、「スタジオ」で喋ったり、サーキットからレース速報をしていたりしたことがあります。
そのミニFM局について、自著の『マンガで挑戦 おもしろパーソナル・メディア』(講談社/1985年)という本の中で紹介したことがありますので、以下に、そのページを掲載させていただきます。20年以上前、日本全国でブームになったミニFMというものの一端が、多少はご理解いただけるのではないかと思います。ちなみに『マンガで挑戦 おもしろパーソナル・メディア』では、「ニューメディア」がブームだった1985年に、個人で情報発信ができるニューメディア(パソコン通信、パーソナル無線、ミニFMなど)を紹介した書き下ろし単行本です。
■『マンガで挑戦おもしろパーソナル・メディア――すがやみつるの作り方講座』
(講談社/1985年7月刊)より

(画像をクリックするとPDFが開きます)
注1:文中に音楽著作権のことが出てきますが、商用ではなくても、不特定多数の人が聴くことのできるミニFMで、勝手に音楽を流すのはマズイでしょうね、やっぱり。
注2:この記事は、たけくまさんのブログの内容を否定するような意図はありません。
7月31日に掲載された「竹熊さん、インターネットはヤバイですよ。」という記事では「海賊ラジオ」についての話題が出てきましたが、竹熊さんは電波系のメディアについては、あまり関心がないようで、たとえば「海賊ラジオ(放送?)」と「ミニFM放送」についても、それぞれを広義に解釈しているためか、少し混乱があるように見受けられました。
「海賊放送」については「非合法放送」の意味もありますが、1960年代後半あたりに、とくに東欧あたりで流行したものは、国家の主権の及ばない公海上を航行する船の上から、体制的な国営放送局しかないような国の住民に向け、ラジオ放送をおこなうものを指しました。当時の「地下放送」や「自由(フリー)ラジオ」といった言葉には、こんな政治的な臭いがつきまとったものでした。
1980年代に日本で流行した「ミニFM」は、電波法の許容範囲内(FM放送などに使われる322MHz以下、または150GHz以上の周波数の場合、無線機の発信源から3メートルで、電界強度が500マイクロボルト/m以内)であれば、無線局の免許は不要です。教材用のワイアレスマイクなどもそうですが、このような「微弱電波」であれば無免許で電波を発射しても違法にはなりません。しかも、このくらいの出力の電波でも、100~150メートルくらいは届きます。高いビルの上にアンテナを設置したりすれば、さらに到達範囲は広がるでしょう。
もちろん「ミニFM」であっても、電波法で制限された以上の強い電波を発射すれば、電波法違反で逮捕されることになります。事実、そのような「ミニFM放送局」もあり、関係者が逮捕されています。このような大出力の非合法FM放送局となれば、すでに「ミニ」ではないわけで、そのため「海賊放送」と称されることがあったのかもしれませんが、1960年代の「海賊放送」を知っている身からすると、ちょっと違和感があります。
また「ミニFM」の「ミニ」は、基本的には微弱電波のことを示しており、著作権法など別の問題はあるかもしれませんが、電波法には違反していないはずです。
ホイチョイ・プロダクション原作の『波の数だけ抱きしめて』という映画が1991年に公開されたことがありますが、この映画では湘南のミニFM放送局が舞台になっていました。
それより少し前、ミニFMがブームになった頃、ぼくも自分でミニFMの送信機を組み立てたり、西新宿で毎週放送されていたミニFM局に参加し、「スタジオ」で喋ったり、サーキットからレース速報をしていたりしたことがあります。
そのミニFM局について、自著の『マンガで挑戦 おもしろパーソナル・メディア』(講談社/1985年)という本の中で紹介したことがありますので、以下に、そのページを掲載させていただきます。20年以上前、日本全国でブームになったミニFMというものの一端が、多少はご理解いただけるのではないかと思います。ちなみに『マンガで挑戦 おもしろパーソナル・メディア』では、「ニューメディア」がブームだった1985年に、個人で情報発信ができるニューメディア(パソコン通信、パーソナル無線、ミニFMなど)を紹介した書き下ろし単行本です。
■『マンガで挑戦おもしろパーソナル・メディア――すがやみつるの作り方講座』
(講談社/1985年7月刊)より

(画像をクリックするとPDFが開きます)
注1:文中に音楽著作権のことが出てきますが、商用ではなくても、不特定多数の人が聴くことのできるミニFMで、勝手に音楽を流すのはマズイでしょうね、やっぱり。
注2:この記事は、たけくまさんのブログの内容を否定するような意図はありません。
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「海賊放送」といえば、五木寛之氏の小説に『四月の海賊たち』という短篇がありました。1970年頃に本来の意味での海賊放送を題材にしたものです。
Posted by すがやみつる/菅谷充
at 2008年08月05日 01:50
at 2008年08月05日 01:50すがや様。
当方のブログをご紹介くださいまして恐れ入ります。
80年代に合法のミニFM局が流行したことは覚えていますが、僕が書い
たのは70年代に隣接市まで数キロ~10キロくらいをカバーしていた
違法FM局のことです。僕の友人が実際これをやっていて、彼自身は
大丈夫だったようですが、彼の海賊ラジオ仲間の何人かがご用になって
いました。
彼らは非合法であることは知っていたようですが、政治的な意図はほと
んどなかったとのことです。普通の中高生ばかりでしたからね。
当方のブログをご紹介くださいまして恐れ入ります。
80年代に合法のミニFM局が流行したことは覚えていますが、僕が書い
たのは70年代に隣接市まで数キロ~10キロくらいをカバーしていた
違法FM局のことです。僕の友人が実際これをやっていて、彼自身は
大丈夫だったようですが、彼の海賊ラジオ仲間の何人かがご用になって
いました。
彼らは非合法であることは知っていたようですが、政治的な意図はほと
んどなかったとのことです。普通の中高生ばかりでしたからね。
Posted by たけくま at 2008年08月05日 02:07
竹熊さま
わざわざコメントいただき申し訳ありません。
年代のせいで「海賊放送」というと、つい、船を使ったものを思い浮かべてしまうもので。あまり大きな声ではいえませんが、ぼくも中学生の頃、アマチュア無線帯でしたが、6AR5とか6V6なんて真空管を使って……ムニャムニャムニャ。眠くなってきたので、このへんで失礼します(^_^;)。
わざわざコメントいただき申し訳ありません。
年代のせいで「海賊放送」というと、つい、船を使ったものを思い浮かべてしまうもので。あまり大きな声ではいえませんが、ぼくも中学生の頃、アマチュア無線帯でしたが、6AR5とか6V6なんて真空管を使って……ムニャムニャムニャ。眠くなってきたので、このへんで失礼します(^_^;)。
Posted by すがやみつる/菅谷充
at 2008年08月05日 02:31
at 2008年08月05日 02:31「スカイ・クロラ」原作の森博嗣先生のホームページの日記ではよく真空管アンプが登場しています。これをみると、くんでみたくなりませんか?
「今はもうない」とかすがや先生がマンガ化すると無線のところもリアリティがあっていいかもしれません。
「今はもうない」とかすがや先生がマンガ化すると無線のところもリアリティがあっていいかもしれません。
Posted by madi at 2008年08月08日 16:51
>madiさん
ぼくは音楽にほとんど興味がないもので、アンプは高校生のときにエレキギター用のインチキアンプを組んだことがありますが、それ以外には組み立てたことがありません。ほとんどが無線機、それも送信機でした。
真空管アンプの本も持ってますし、最近のブームも知っていますが、それを使って音楽を聴く習慣や環境がありません。
ぼくは音楽にほとんど興味がないもので、アンプは高校生のときにエレキギター用のインチキアンプを組んだことがありますが、それ以外には組み立てたことがありません。ほとんどが無線機、それも送信機でした。
真空管アンプの本も持ってますし、最近のブームも知っていますが、それを使って音楽を聴く習慣や環境がありません。
Posted by すがやみつる/菅谷充 at 2008年08月08日 17:35
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